アストラゼネカワクチン及びDNAワクチンについて

アストラゼネカワクチンを使用している国々でも死亡者増

前回の議論を継続して、以下の点について考察しようと思います。

ここで述べられているのは、「全要因死亡率が上がることが確認されていない」という仮定を根拠にしているだけです。

アストラゼネカワクチンを使用している国々でも死亡者が出ている事実があります。

元々、これらのワクチンは、5,000人に1人程度しか死亡を増やさないもので、有意な差を示すには相当な数のデータが必要です。

アストラゼネカワクチンも仕組みが異なりますが、ゲノムに関与するメカニズムが存在します。

一方で、名目上の予防効果もあるとされていますが、次で解説いたします。

アストラゼネカワクチンもかなりのリスク

まず、解説に入る前にひとつ指摘します。

タイや台湾などでも、30万人や100万人の規模でワクチン提供が行われました。

5,000人に1人程度の死亡者増程度ですと、60人や200人などの数値になります。

この程度の数値では、明確な影響が認識されるのは難しいでしょう。

特にアストラゼネカワクチンを3回接種するような国は存在しないため、影響を正確に評価することは困難です。

しかし、アストラゼネカワクチンも、かなりのリスクがある仕組みが存在しています。

実際に、アストラゼネカワクチンによる影響として公式に認定されたケースも存在しており、これは無視できない事実です。

従って、「アストラゼネカワクチンなら安全だ」という主張は根拠に乏しいと言わざるを得ません。

安全性に自信があるならば、アストラゼネカワクチンを複数回接種してみてもらいたいところです。

アストラゼネカワクチンを日本の現在の接種回数(2023年9月で7回目)で接種していたら、同等かそれ以上の死亡者が出る可能性があります。

DNAワクチンも失敗作

先にDNAワクチンの議論から進めさせていただきます。

ただ単にDNAを血中に大量に送り込み、それがゲノムに組み込まれるというアプローチであるのならば、実際には誰も苦労しません。

だからDNAワクチンは成功していないだけでなく、発想の基本的な方向性が逆転していると言えます。

細胞内にすら入り込まないからDNA量を増やしているだけなのですが、本質的には失敗と言えるでしょう。

mRNAワクチンは他にはない独自の仕組み

DNAが微量ながら細胞内に侵入したとしても、それがゲノムに影響を及ぼすかどうかは別個の課題であり、実際にはTLRセンサーによって細胞は致命的な攻撃を受けてしまいます。

いわゆる「裸のDNA」が細胞内に入ったとしても、それが簡単にゲノムを改変できるという考えは誤りです。

もしそれが可能であれば、容易に何でも遺伝子が改変されてしまう可能性があることになってしまいます。

「DNAが細胞内に入ったとしても、TLRセンサーの働きによって問題が起こる可能性は低い」という主張もありますが、LNPによって包まれているか、あるいはTLRセンサーの反応が抑制されているのであれば大問題です。

実際に、シュードウリジン化mRNAとLNPを使用する手法は、1型インターフェロン反応をTLRセンサーによって抑制する能力があります。

この点は、マサチューセッツ工科大学上級研究員ステファニー・セネフさんの論文でも述べられています。

このように、mRNAワクチンは、DNAワクチンやアストラゼネカワクチンには存在しない独自の仕組みを持っていることが示されています。

LNPを用いた現行のワクチンの方式は将来の遺伝子導入手法の主流となる

一方で安全性を強調しながらも、同じ導入方式を用いて異なる研究を進める可能性も存在します。

現時点ではそのような取り組みが具体的に進行中であるかどうかは明確ではありませんが、ワクチンの接種が継続される場合、同時並行的な研究が展開される可能性も考慮されます。

下図の右上部分に着目すると、TLRセンサーの抑制による影響が見て取れます。

LNPによって包まれているため、外部から異物が容易に取り込まれる可能性が高まります。

現実的に、このアプローチを用いて遺伝子導入を試みる研究者も存在します。

DNA混入の問題に留意しない立場をとる一方で、ほぼ同じ方法で遺伝子導入を検討する研究者も存在しています。

そして、従来の遺伝子導入におけるリポフェクションと、LNPを用いたワクチンの導入の仕組みは本質的に同じです。

両者の違いは脂質の種類のみであり、その基本原理は共通しています。

更に、mRNAワクチンの導入方式は免疫抑制が行われ、TLRセンサーも抑制されているという事実がセネフ氏論文に明記されていることは上記の通りです。

リポフェクション法には課題が存在し、個体レベルでの適用が困難な場合がありますが、LNPを用いることでマウスなどの個体でも成功する可能性が高まります。

したがって、今後LNPは広く活用される見込みです。

つまり、現行のワクチンの方式は将来の遺伝子導入手法の主流となるということです。

その結果、DNAの混入が確認されれば、甚大な悪影響を及ぼすことは明白です。

にもかかわらず、日本国内のワクチン接種状況を考えると、現行の状況が持続し、民族滅亡の危機に直面していることに人々が気付かない限り、ワクチンの接種は継続される見込みです。

アストラゼネカワクチンは安全なのか?

では、アストラゼネカワクチンの安全性についても考察してみましょう。

前述の通り、それも当然ながら同じく安全性が確保されているとは言えません。

アデノウイルスは複雑な情報を含んでおり、簡潔にまとめるのは難しいですが、このウイルスは外部からの殻に覆われており、そのため細胞内に取り込まれる仕組みを持っています。

注目すべきなのは、このウイルスに含まれるDNAがメチル化されていないという事実です。

このため、TLRセンサーによって細胞は検知され、結果的に細胞は破壊されます。

しかしこの過程において、細胞内でスパイク蛋白が生成され、それが
①フリーな形で存在するものと、
②細胞膜上に並んだもの
ができて、それにより抗体の誘導が行われる仕組みです。

一方で、LNPにより包まれておらず、また細胞自体が破壊されるため、ゲノムに取り込まれる可能性は低いとの主張もあります。

しかしながら、上述の通り、アストラゼネカワクチンについても同様に危険性があることは否定できません。

また、アデノウイルスに対する抗体が存在するため、ウイルス粒子そのものが捕捉されて排除されるという安全性の考え方もある一方で、E1Bという発がん遺伝子が含まれているという事実も存在します。

この理由から、先進国ではアデノウイルスベクターが嫌われた経緯があります。

そのため、実際には今回のDNA混入問題は、過去にアストラゼネカワクチンが嫌われた理由と大して変わらない事例であると言えるでしょう。

「LNPにより包まれておらず、また細胞自体が破壊されるため、ゲノムに取り込まれる可能性は低い」との主張をmRNAで考察

一般的に、2回目よりも3回目のほうがゲノムに入る確率が高いと考えがちですが、この点について断言するのは難しい側面も存在します。

アストラゼネカワクチンにおいて、もしゲノムに入ったとしても、細胞が破壊されるからリスクを軽減できるとする論理が存在しますが、この論点をmRNAワクチンの側面からも考察してみます。

1回目接種時の状況が理解しやすいでしょう。

1回の接種だけでは抗体が十分に生成されないため、少なくとも2回の接種が必要とされました。

この段階では、ADCC(抗体依存性細胞傷害)やCDC(補体依存性細胞傷害)は起こりにくいと考えられます。

なぜなら、抗体がまだ充分に生成されていないためです。

したがって、たとえゲノムに入ったとしても、細胞は生きたままとなるでしょう。

2回と3回の接種については複雑な要素が関与しますが、2回の接種でCDCやADCCが発生する可能性があります。

3回の接種では、CDCもADCCとは異なり、キラーT細胞による殺傷が起こることが予想されます。

実際の効果については具体的な検証が必要ですが、理論的にはこのような影響が考えられます。

下図も同様に、「細胞の破壊が逆に望ましい」という観点から捉えると、新たな意味合いが浮かび上がります。

つまり、もしもゲノムに侵入してしまった場合、その部分だけで考えるならば、細胞の破壊はむしろ望ましい結果と言えます。

しかしながら、現実には免疫抑制が行われつつ接種が行われており、1回または2回の接種では細胞の破壊が起こりにくいケースも多いです。

このため、接種回数を増やすべきだという議論も生じますが、IgG4の影響を考えると、そのようなアプローチは明らかに効果的ではありません。

したがって、1回目や2回目の接種を受けた人々が時間が経過した後でも、後遺症が残っている場合や、亡くなる方がいるのは全く不思議なことではありません。

医師たちがゲノムに入る可能性をまったく理解していないために、このような事態が起きているのです。

それにもかかわらず、なぜこのような危機感が欠如しているのか、これは非常に深刻な問題です。

従来の遺伝子導入と同じ仕組みであるにもかかわらず、医学関係者たちにはあまり危機感がないのは、実験室で遺伝子導入に使用される細胞が、HeLa細胞やHEK293細胞などのがん細胞であるためと考えられます。

健康な人間の細胞ならば問題はないという錯覚が生じているのかもしれません。

しかしながら、実際にはTLRセンサーの抑制が行われているため、安全とは程遠い状況です。

こうした事情を考慮すると、接種から2年後にもなおmRNAが体内に残存しているのは当然の結果と言えます。

下図のデータが出た2021年は、まだ1回目ないしは2回目接種の時期です。

2回までの接種では細胞の破壊は起こりにくい性質があるため、細胞のターンオーバーが1年であることを考えると、ゲノムに侵入した可能性はかなり高いと言えます。

ファイザーが欧州医薬品庁に対して提出するプラスミドマップでSV40を削除した

ではここで、なぜファイザーがEMA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)に対して提出するプラスミドマップでSV40を削除したのか、その背景を考えてみましょう。

提出される文書においては、主要構成エレメントを包括的に全て記載することが求められています。

しかし、アストラゼネカワクチンが不評を買った背景を考えると、同様に否定的な反応を回避するために、ファイザーがSV40を削除した可能性が浮上します。

こうした状況の中で、主要構成エレメントの記載ルールを順守しつつ、不必要な議論や懸念を回避する意図があったのではないでしょうか。

ただ、ファイザーのケースでは、DNAの大量混入がないという前提の下に行われたと考えられます。

基準値未満のごく少量であっても混入可能性を懸念するのは当然のことであり、その点についての懸念を回避するためにファイザーが対応したと言えます。

実際は混入量が大量であったわけですが、当時はファイザーしか把握していませんでした。

現在でも精製されていないため、正確な混入量は不明です。

「裸のDNA」とmRNAワクチンにおけるDNA混入は全く異なる話

繰り返しますが、DNAワクチンにおける「裸のDNA」の話と、mRNAワクチンにおけるDNA混入に関する話は全く異なる内容です。

これらを同列に比較することは適切ではなく、正確な理解を妨げるものとなります。

もし「裸のDNA」が入ることが問題であるとするならば、これまでの多くのワクチンにおいても同様の疑念が生じるでしょう。

量に関する主張も正当な根拠を欠いており、さらに重要なのは、全く異なる前提条件を混ぜ合わせて論じている点です。

これは推奨派と同様の誤った手法であると言えます。

LNPに包まれていることやインターフェロン反応の抑制に関する議論を除いたとしても、発現ベクターのDNA断片混入と生ワクチンを比較するとは、明確な理解に基づく意図的な主張なのか、それとも深い理解が欠如しているのでしょうか。