ポータルクロニクル Season 3 第2話「帰国命令」

「セシリア、まずはご苦労だった。これから審査に入るが、ほぼ間違いなく修士課程修了となるだろう。
 ビザもそろそろ切れる頃だろう? 大学院の卒業式もある。一度、イングランドへ帰ってこい。親父さんにも顔を見せてやれ」

続けて、教授はカミーユにも呼びかけた。

「カミーユ、いるか?」

「はい、教授」

「ご苦労だが、引き続きセシリアの護衛と運転手を頼みたい。ビザと活動資金はこちらで何とかする。
 お前たち二人は航空機移動だ。イリスたちは母船で構わん。セシリアの家の裏山に集合だ。日時等、追って詳細をメールする」

「任務了解よ、教授」

セシリアが口を挟む。

「もうビザの期限なのね……。教授、できることなら、このまま日本に移住したいわ」

「気持ちはわからんでもないが、世界は広いぞ。日本は消えたりせん。とりあえず一度帰ってこい。会った時にまた話そう」

憧れていた日本での生活にすっかり馴染んでしまったセシリアの胸に、
寂しさと、これから何が起きるのかという言いようのない不安が押し寄せる。

「大丈夫。サイコフレームが導いてくれるわ」

自らに言い聞かせるように、セシリアは胸元のサイコフレームをそっと握りしめた。

『ポータルクロニクル』
©2026 高橋剛(未来叙事創作者)/AI支援

登場キャラクター紹介

セシリア・フェアチャイルド
物語の軸を担う存在。大学院の卒業式のため、日本フィールドワークを終え、母国イングランドに帰郷することとなった。
名前の由来は「機動戦士ガンダム」でギレン・ザビの第1秘書を務める才色兼備の美女セシリアと、「ガンダムF91」のセシリー・フェアチャイルドから。

カミーユ
フランスと日本のハーフ女性。G教授の依頼で、引き続きセシリアの護衛と、旅を支える運転手を担うこととなった。元傭兵で、その類稀なる戦闘能力から「最高のニュータイプ」と呼ばれている。
名前の由来は「Zガンダム」の主人公カミーユ・ビダンから。

G教授
考古学者で、セシリアの担当教授。異説・奇説を追い求める、考古学界きっての異端児。2009年に閉鎖されたイギリス国防省「UFO desk」出身の過去を持つ。セシリアらを母国イングランドに呼び戻す。
名前の由来は「ガンダムW」に登場するプロフェッサーG。


【朗読】ポータルクロニクル公式

使用音声ソフト
VOICEVOX:小夜/SAYO(朗読)
VOICEVOX:もち子(cv 明日葉よもぎ)(セシリア)
VOICEVOX:後鬼(カミーユ)
VOICEVOX:青山龍星(G教授)

エンディングテーマ
Burning Heart/魔王魂


Chronicle FM

こちらはChronicle FM、Season 3 第2話編集後記をお届けします

イギリスの大学院生が研究を目的に90日を超えて日本に滞在する場合、主な在留資格として「研究」または「文化活動」が該当します。滞在期間が90日未満であれば、ビザは不要で、ビザ免除による入国が可能です。

「研究」は、日本の受け入れ機関との契約に基づく有償の研究活動に適用されます。一方、「文化活動」は、フィールドワークなど無償の調査活動に該当し、在留期間は3ヶ月から最長3年まで認められています。セシリアの場合も、これに該当します。

G教授の部屋に掲げられた「I WANT TO BELIEVE」のUFOポスターは、『X-FILES』Official Fan Club Editionを購入したという設定。『X-FILES』ファンの方には、思わずニヤリとしていただけたかもしれません。