ポータルクロニクル 第9話「夢の欠片」

秋の朝、セシリアは制服に袖を通し、石畳の道を歩いて高校へ向かった。イングランドの高校には日本のような入学式はなく、日常の延長のように新学期が始まる。
教室では新しい仲間たちと机を並べ、淡々と授業が進んでいった。セシリアは緊張しながらも、未来への期待を胸にノートを取っていた。

――季節は巡り、二年間の高校生活は瞬く間に過ぎ去った。
卒業の日。簡素な式典のあと、セシリアは花束を抱え、父アーサーに見守られながら校舎を後にした。
「ありがとう、パパ。私は次のステージへ進むわ」
アーサーは静かに頷き、娘の背中を誇らしげに見送った。

春。大学のキャンパスに足を踏み入れたセシリアは、胸の奥で恐れと期待がせめぎ合うのを感じていた。
だが仲間の顔を思い浮かべると、不思議と力が湧いてくる。

その夜、大学の寮の窓から星空を見上げながら、セシリアは小さく呟いた。
「『ゆるキャン△』で見た富士山、行ってみたいな。私のような外国人の登山客も多いというし、霊山とか言われてるし、何か古い伝承とかあるのかな……」

その言葉は夜風に溶け、静かな闇に消えていった。
研究者としての夢と、アニメファンとしての憧れが重なり合い、彼女の胸の奥で確かな光となって燃えていた。

入学初日のガイダンス。新しい教室、新しい仲間、新しい挑戦。
セシリアの瞳には、旅立つ者の確かな輝きが宿っていた。

夜空の星々が瞬き、彼女の決意を祝福するかのように輝いていた。

『ポータルクロニクル』
©2025 高橋剛(未来叙事創作者)/AI支援

登場キャラクター紹介

セシリア・フェアチャイルド
物語の軸を担う存在。高校を卒業し、現在は大学で寮生活。考古学・オカルト学者になるべく奮闘中。生粋の日本アニメオタク。イリスとテレパシー通信するのが日課となっている。
名前の由来は「機動戦士ガンダム」でギレン・ザビの第1秘書を務める才色兼備の美女セシリアと、「ガンダムF91」のセシリー・フェアチャイルドから。


【朗読】ポータルクロニクル公式

使用音声ソフト
VOICEVOX:小夜/SAYO(朗読)
VOICEVOX:WhiteCUL(セシリア高校時代)
VOICEVOX:もち子(cv 明日葉よもぎ)(セシリア大学生~)

エンディングテーマ
ミッドナイトムーン/甘茶の音楽工房


Chronicle FM

こちらはChronicle FM、第9話編集後記をお届けします

セシリアが大学生となったことに伴い、彼女の声色を高校時代から変化させてみました。
若干の低音化を感じられたかもしれませんが、これは自然な変化として捉えられます。一般に、女性の声の高さは加齢とともに徐々に低くなる傾向があり、大学生の年代では体格やホルモンバランスの変化も影響を与えるためです。
したがって、高校時代よりもわずかに声が低くなったように感じられるのは、ごく自然な成長の表れと言えるでしょう。

また、今回をもってSeason 1 は最終回となります。 当初は全13話を予定していましたが、同じ展開が続くよりも物語のリズムを大切にしたいと考え、思い切って4話分をカットしました。テンポ良く進む物語を楽しんでいただければ幸いです。

そして次回からは、いよいよSeason 2が幕を開けます。 大学へ進学し、考古学者の教授に師事することで研究者としての第一歩を踏み出すセシリア。彼女は念願の日本フィールドワークへと旅立ち、新たな物語が始まります。

どうぞご期待ください。 今後とも ポータルクロニクル をよろしくお願いいたします。