長芋を使ったとろろ汁

母の姿を見ていましたのでよくわかるのですが、抗がん剤治療を受けますと、副作用でどうしても吐き気がひどく、食欲も減退します。
だからといって、ろくに食べもせず、栄養も摂らずに抗がん剤治療を受けたところで、効果が得られるかどうかは大いに疑問です。
「医食同源」という言葉もありますように、やはり食事は重要であり、食事も治療の一環であると捉え、栄養摂取に務められたほうがよろしいでしょう。
本レシピは、母が生前、好んでよく飲んでいた汁物で、そのメモ書きが残っておりましたので、忘れないうちにとまとめ、親類にも協力してもらい、再現したものです。
長芋は自然薯などに比べて粘り気が少ないので、母のように食道がんの手術をされた方にも飲みやすいと思います。
1年を通して飲めますし、特に夏場の食欲が減退しがちな季節にはうってつけです。
もちろん、健康な方が飲まれても、全く害がないどころか、下記に示す通り、様々な効能がありますので、美容や健康の保持増進にも大変よろしいです。
ただし、長芋アレルギーがある方は、避けたほうが無難です。
ちなみに、長芋は自然薯などの「山芋(ヤマノイモ)」とは別種なのだそうです。

材 料
材料は、どこか特殊な専門店に行かないと得られないというものではなく、近所のスーパー等で調達でき、比較的安価で済み、すぐに作れるというのが特徴です。
長芋は長さにもよりますが、東京ですと、250円~400円前後です。
だしはスーパーに行けばスティック顆粒タイプのものが売られていますので、それを用いれば、水に溶かすだけで簡単にだしが作れます。
分量はあくまでも目安ですので、各自、適宜、増減してください。

用意するもの
長芋…1/2本(約270g)
ミョウガ…1個
だし汁…200ml(1カップ)
減塩醤油…大さじ1
あおさ粉(なければ青ノリで可)…少々

作り方

  1. ミョウガはタテ半分に切って斜め切りに、あるいは食べやすいようにみじん切りにしてもよろしいです
  2. ボウルにだし汁と減塩醤油を入れ、そこに長芋をすりおろし、混ぜる
  3. 器に移し、ミョウガを添え、あおさ粉(なければ青ノリで可)を散らす
    長芋の皮は八味地黄丸、六味丸などの漢方方剤に使われるくらいですので、剥かずにすりおろしても害はありません。
    すりおろす前に5~10分ほど酢水に漬けるとかぶれ防止になって良いそうですが、そうしますと酢の味が強くなってしまうので、酢水に漬けず、そのままの状態でゴム手袋を着用してすりおろしましょう。<

お好みで、納豆、オクラ、乾燥わかめ等を入れても美味しそうです。
簡単に作れますので、時短にもなります。
晩酌のおつまみにも最適かと思います。
是非、レパートリーに加えてみてください。

効 能
ミョウガは民話「みょうが宿」のルーツになり、長芋は「山のうなぎ」、あおさは「海の緑黄色野菜」と呼ばれていたりと、安価だからといって侮りがたいほど、非常に栄養価が高い食材です。
以下、効能を列挙しますと、

長 芋…滋養強壮、疲労回復、免疫力向上、消化吸収能力向上、便秘解消、腸内フローラ改善、デトックス効果、ダイエット効果、美肌効果、むくみ解消、血行を促進して冷え性を改善、高血圧や動脈硬化の予防、糖尿病予防、老化予防、コレステロール値の低下、風邪やインフルエンザ予防

ミョウガ…血行促進、血流改善、発汗作用、むくみの緩和、消化促進、解毒効果、抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス作用、貧血予防、生理不順や更年期障害の改善、ストレス軽減作用、ストレス耐性向上、集中力アップ、眼精疲労緩和、視覚機能改善、眼病予防

あおさ粉…健全な骨格形成、血液凝固作用、心臓の拍動や筋肉の収縮をスムーズにする、血流改善、造血作用、悪性貧血予防、生理不順、胎児の発育、腸内環境改善、メタボ予防、コレステロール値の正常化、糖尿病予防、急激な血糖値の上昇を防止、血圧上昇防止、便秘解消、肌荒れやニキビの改善、抗酸化作用、アンチエイジング効果、ストレス軽減作用

と、がん対策以外にも、様々な効能が期待できます。
母も医師からよく言われていたのですが、やはりがん患者さんが一番に目指すべきは免疫力の向上
本レシピを活用され、適切な治療とも相まって、皆様の病気平癒、息災延命、身体健全につながりますことを、心よりお祈り申し上げます。