除菌による免疫暴走のリスク

自分の免疫が自分を過剰に攻撃してしまう原因の一つとして制御性T細胞(免疫抑制細胞:Treg)の問題が挙げられます。
適切な制御機構が働いていないと、健康な自己の細胞をも破壊してしまい、自己免疫疾患を引き起こします。
Tregは、自己免疫疾患や健康な細胞に対する誤った破壊を防ぐために免疫系を負に制御し、免疫系の恒常性の維持に働いている免疫細胞のことを言います。
昨今のように、職場、店内、施設等の入場時に除菌、物を触る前後に除菌と、過剰とも言えるほど清潔だけを意識しているから制御できなくなるのです。
先進国のほうが死者が多いのも無関係ではありません。
結核蔓延国でコロナ被害が少ないことからも、感染が悪とは言えません。
腸内のクロストリジウム属細菌がTregに好影響を与えていることも既にわかっており、いなければ多発性硬化症などの難病になります。

また、他の菌もTregに好影響を与える場合もあります。
過剰なほど除菌をして子供を育てていたら、すぐに免疫が過剰反応を起こして死亡します。
人体とは100兆以上の細菌で構成される宇宙と言っても過言ではありません。
そして細菌だけではなく、発見されているだけでも39種類もあるウイルスも常に体内に存在します。

こうしたものを減らそうとするのは単なる不健康な愚行であり、免疫を暴走しやすくして死にやすくなります。
2019年と2020年のデータになりますが、オーストラリアでインフルエンザをゼロにしてもコロナは下図の結果で、見ての通り、同じ時期に感染が大爆発したことがおわかりになるでしょう。


こうしたことは当たり前で、除菌しても他の菌が増えるだけであり、基本的にはこれまで言われてきたことと同じです。
もし、ウイルスや雑菌を根絶したら、人類が滅ぶことは間違いありません。