将来、ご自身が認知症などで判断能力が低下した場合、財産を巡って親族間で一悶着起こすことが予見されるという場合も多々あるかと思います。

そのような場合、有効な選択肢の1つとして、「任意後見契約」を結ぶ方法があります。

任意後見契約とは、判断能力が低下した場合に備えて、財産管理を任せたい人(任意後見人)に、預貯金の管理や医療契約の締結などの権限をあらかじめ与えておく契約です。

どのような権限を与えるかは当事者が自由に決められますが、買い物や食事を作るといった世話のみを任せる場合には使えません

任意後見人はお子さんなど、身内でもなれますが、財産管理に適した信頼できる人を選ぶように留意してください。

たとえばご自身がお子さんと任意後見契約を結んだとして、その後、実際に判断能力が低下したら、自動的にお子さんが財産管理を開始できるというわけではありません。

任意後見契約を締結しただけでは契約の効力は生じません

お子さんにはあなたの判断能力が低下したら、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てるように頼んでおきましょう。

家庭裁判所が、あなたの判断能力の程度を確認した上で、任意後見人を監督する者(任意後見監督人)を選任します。

これにより、任意後見人であるお子さんが、任意後見契約に基づき、あなたの財産を管理できるようになります。

任意後見監督人は一般的には弁護士などが選ばれます。

任意後見監督人は任意後見人に対し、事務処理の状況や支出の用途などについて報告を求め、事務処理が適正になされているか定期的にチェックします。

注意点として、任意後見契約は、公証役場の公証人が作成する「公証証書」の形にしなければいけません。

もし、判断能力があるうちから財産管理を任せたい場合は、任意後見契約の他に、財産管理に関する委任契約併せて締結しておく必要があります。