参考文献
今あるガンが消えていく食事〈実践レシピ集〉
平成22年2月24日 第8刷発行
監修 済陽高穂
発行 株式会社マキノ出版
食道がん術後の方に特におすすめ
母の姿を見ていたのでよくわかるのですが、抗がん剤治療を受けますと、副作用でどうしても吐き気が酷く、食欲も減退します。だからといってろくに食べもせず、栄養も摂らずの状態では、ますます不健康になるばかりです。
「医食同源」という言葉もありますように、やはり食事は重要であり、食事も治療の一環であると捉え、栄養摂取に務められたほうがよろしいでしょう。本レシピは母が生前、好んでよく飲んでいた汁物で、調理師免許を持つ叔母に協力してもらい、再現したものです。
長芋は自然薯などに比べて粘り気が少ないので、母のように食道がんの手術をされた方にも飲みやすいと思います。ちなみに、長芋は自然薯などの「山芋(ヤマノイモ)」とは別種なのだそうです。
夏場や晩酌のおつまみにも最適
もちろん健康な方が飲まれても、無害どころか様々な効能がありますので、美容や健康の保持増進にも大変よろしいです。1年を通して飲めますし、特に夏場の食欲が減退しがちな季節にはうってつけです。晩酌のおつまみにも最適かと思います。簡単に作れますので時短になります。是非、レパートリーに加えてみてください。ただし、長芋アレルギーがある方は、避けたほうが無難です。
用意するもの
長芋は長さにもよりますが、東京ですと、250円~400円前後です。
だしはスーパーに行けばスティック顆粒タイプのものが売られていますので、それを用いれば水に溶かすだけで簡単にだしが作れます。
分量はあくまでも目安ですので、各自、適宜、増減してください。
- 長芋…1/2本(約270g)
- ミョウガ…1個
- だし汁…200ml(1カップ)
- 減塩醤油…大さじ1
- あおさ粉(なければ青ノリで可)…少々
作り方
- ミョウガはタテ半分に切って斜め切りに、あるいは食べやすいようにみじん切りにしてもよろしいです。
- ボウルにだし汁と減塩醤油を入れ、そこに長芋をすりおろす。※長芋の皮は八味地黄丸、六味丸などの漢方方剤に使われるくらいですので、剥かずにすりおろしても害はありません。すりおろす前に5~10分ほど酢水に漬けるとかぶれ防止になって良いそうですが、そうしますと酢の味が強くなってしまうので、酢水に漬けず、そのままの状態でゴム手袋を着用してすりおろしましょう。
- 食器に移し、ミョウガを添え、あおさ粉(なければ青ノリで可)を散らす。お好みで納豆、オクラ、乾燥わかめ等を入れても美味しそうです。
効能
ミョウガは民話「みょうが宿」のルーツになり、長芋は「山のうなぎ」、あおさは「海の緑黄色野菜」と呼ばれていたりと、安価だからといって侮りがたいほど、非常に栄養価が高い食材です。以下、効能を列挙しますと、
- 長芋…滋養強壮、疲労回復、免疫力向上、消化吸収能力向上、便秘解消、腸内フローラ改善、デトックス効果、ダイエット効果、美肌効果、むくみ解消、血行を促進して冷え性を改善、高血圧や動脈硬化の予防、糖尿病予防、老化予防、コレステロール値の低下、風邪やインフルエンザ予防
- ミョウガ…血行促進、血流改善、発汗作用、むくみの緩和、消化促進、解毒効果、抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス作用、貧血予防、生理不順や更年期障害の改善、ストレス軽減作用、ストレス耐性向上、集中力アップ、眼精疲労緩和、視覚機能改善、眼病予防
- あおさ粉…健全な骨格形成、血液凝固作用、心臓の拍動や筋肉の収縮をスムーズにする、血流改善、造血作用、悪性貧血予防、生理不順、胎児の発育、腸内環境改善、メタボ予防、コレステロール値の正常化、糖尿病予防、急激な血糖値の上昇を防止、血圧上昇防止、便秘解消、肌荒れやニキビの改善、抗酸化作用、アンチエイジング効果、ストレス軽減作用と、がん対策以外にも様々な効能が期待できます。
母も医師からよく言われていたのですが、やはりがん患者さんが一番に目指すべきは免疫力の向上。本レシピが適切な治療と共に活用され、皆様の病気平癒、息災延命、身体健全に繋がることを心よりお祈り申し上げます。